ANAファーストクラス「THE Suite」は、誰もが憧れる空の旅。
しかし、正規運賃は数十万〜数百万円と高額で、なかなか手が届かない存在です。
実はANAには、マイルやアップグレードポイントを使って比較的お得にファーストクラスに搭乗する方法があります。

世界一周航空券のビジネスクラスを予約し、4万マイルでサンフランシスコ発成田行きをファーストクラス「THE Suite」にアップグレードできました!
- ANAファーストクラスにお得に乗る2つのアップグレード方法
- 実際に体験したサンフランシスコ線ファーストクラス「THE Suite」搭乗レビュー
「いつかファーストクラスに乗ってみたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
ANAファーストクラスをお得に体験する方法

ANAファーストクラスをお得に体験する方法には、大きく分けて「マイルを使う方法」と「アップグレードポイントを使う方法」の2種類があります。
方法① ANA国際線をマイルでアップグレードする

アップグレードを利用するには、あらかじめ対象となる予約クラスで航空券を購入しておく必要があります。
格安運賃や一部のクラスは対象外となるため、購入時点で注意が必要です。
以下は、アップグレードできる対象予約クラスの一覧です。
旅程開始エリア | エコノミー → プレミアムエコノミー | プレミアムエコノミー・エコノミー → ビジネス | ビジネス → ファーストクラス |
---|---|---|---|
日本地区開始 | Y / B / M / U / H / Q / V | G / E / Y / B / M / U | J / C / D / Z |
日本地区以外開始 | Y / B / M / U / H / Q / V | G / E / Y / B / M / U / H | J / C / D / Z |
ビジネスクラスからファーストクラスへアップグレードする際に必要なマイル数は、搭乗する区間の距離(区間基本マイレージ)によって変わります。
区間基本マイレージ(片道距離) | ビジネスクラス → ファーストクラス 必要マイル数 |
---|---|
0 ~ 2,000マイル | 20,000マイル |
2,001 ~ 3,500マイル | 30,000マイル |
3,501 ~ 4,500マイル | 35,000マイル |
4,501 ~ 5,500マイル | 40,000マイル |
5,501マイル以上 | 45,000マイル |
「区間基本マイレージ」と言われても、実際にどの路線が何マイルに当てはまるのか分かりにくいですよね。
そこで、ANAファーストクラスが運航されている代表的な路線について、区間基本マイレージと必要マイル数を具体的にまとめました。
路線(片道) | 区間マイレージ | 必要マイル数(ビジネス → ファースト) |
---|---|---|
成田(NRT)-ニューヨーク(JFK) | 約6,740マイル | 45,000マイル |
羽田(HND)-ロンドン(LHR) | 約6,210マイル | 45,000マイル |
成田(NRT)-シカゴ(ORD) | 約6,280マイル | 45,000マイル |
成田(NRT)-サンフランシスコ(SFO) | 約5,130マイル | 40,000マイル |
成田(NRT)-ホノルル(HNL) | 約3,830マイル | 35,000マイル |
方法② ANA上級会員限定「アップグレードポイント」を活用する

ANAの上級会員(プラチナ・ダイヤモンド・スーパーフライヤーズ会員)には、毎年の搭乗実績に応じて「アップグレードポイント」が付与されます。
このポイントを使うことで、現金やマイルを消費せずに上位クラスへアップグレードできるのが大きなメリットです。
アップグレードポイントを使って国際線を上位クラスに変更する場合、必要なポイント数は路線エリアと区間のクラスによって異なります。
以下の表は、日本発着便を対象としたアップグレードに必要なポイント数の一覧です。
路線エリア | エコノミー → プレエコ | エコノミー/プレエコ → ビジネス | ビジネス → ファースト |
---|---|---|---|
欧米路線(イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、オーストリア、アメリカ、カナダ、メキシコ) | 5P | 10P | 20P |
リゾート・東南アジア・南アジア路線(ホノルル、シンガポール、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、カンボジア) | 4P | 8P | 16P |
東アジア路線(中国大陸、香港、韓国、台湾、ウラジオストク) | ― | 6P | ― |
オセアニア路線(オーストラリア) | 5P | 10P | ― |
どちらがお得?マイルとアップグレードポイントの比較

それぞれの仕組みや条件を、比較表にまとめました。
項目 | マイル利用 | アップグレードポイント利用 |
---|---|---|
利用条件 | ANAマイレージクラブ会員でマイル保有 | ANA上級会員(プラチナ・ダイヤモンドなど)に付与されるポイント |
必要数 | 国際線ビジネス→ファースト:35,000マイル〜45,000マイル | 国際線ビジネス→ファースト:アップグレードポイント16〜 20P |
メリット | ・誰でもマイルがあれば利用可能 ・特典航空券より少ないマイルで体験できる | ・現金やマイルを使わずにアップグレード可能 ・ポイントの有効活用になる |
デメリット | ・必要マイル数が多い ・空席待ちになることもある | ・上級会員でなければ利用不可 ・ポイント数に上限あり |
おすすめの人 | マイルを貯めている人 | アップグレードポイントを有効に使いたい人 |
【体験記】ANAファーストクラス「THE Suite」サンフランシスコ線レビュー

ここからは、実際に私が体験したANAファーストクラスへのアップグレードの流れと、当日のフライトの様子をお届けします。
ビジネスクラスの世界一周航空券から、憧れのファーストクラス「THE Suite」へのアップグレードに成功!
どのようにして承認されたのか、そして友人たち(3人)のアップグレード結果はどうだったのか…。
実体験だからこそお伝えできる、リアルな搭乗記をぜひ参考にしてみてください。
予約とアップグレードの流れ(世界一周航空券+40,000マイル利用)

私が予約したのは、ビジネスクラス世界一周航空券。
29,000マイル区間帯で、運賃は 865,490円。予約したのは搭乗の約3ヶ月前でした。
航空券の予約と同時に、ファーストクラスへのアップグレードを申請。
当初は空席待ちとなり、結果が出るまでしばらく待つことに。
そして、搭乗の1ヶ月前にアップグレードが確定しました。
当時の私のANAステータスは「プラチナ」だったため、優先的に承認されたのだと思います。
一緒に旅行していた3人の友人も同じようにアップグレードを申請しましたが、全員ステータスは持っていませんでした。
- そのうち1人は、搭乗の2週間前に確定
- 残りの2人は、当日、空港のチェックインカウンターでアップグレードが確定
最終的に、全員がファーストクラスにアップグレードされ、特別なフライト体験を共有できました。
サンフランシスコ空港「ユナイテッド・ポラリスラウンジ」体験

サンフランシスコ国際空港では、スターアライアンス加盟のANAファーストクラス利用者として、ユナイテッド航空の「ユナイテッド・ポラリスラウンジ(United Polaris Lounge)」を利用できます。
- フルサービスのアラカルトレストラン
- ビュッフェエリアとフルサービスのバーカウンター
- シャワー
- 仮眠室

特に人気のフルサービス・アラカルトレストランは待ち時間が約1時間。
ようやく席につけたものの、搭乗時間が近づいていたため、ゆっくり過ごす余裕がなくなってしまったのは少し残念でした。


ラウンジ内で提供された料理は、まるで高級レストランのように洗練されていて、一品一品が大変美味しく、心から満足できました。
ANAファーストクラスの座席「THE Suite」機内レビュー

ANA最新のファーストクラス『THE Suite』は、全席ドア付きの個室仕様。隣席や通路を気にせず過ごせる圧倒的なプライベート空間。

43インチの大型4Kモニターが設置されています。
迫力ある映像に包まれると、飛行機の中とは思えない空間で特別感を味わえます。


ファーストクラスアメニティキットは、イギリス王室御用達のレザーブランドETTINGER(エッティンガー)とANAの特別コラボポーチです。
- カードケース
- ANAオリジナルエコバッグ
- SENSAIの高級スキンケアセット(化粧水・クリーム・リップクリーム)

ゆったりとした着心地のパジャマとカーディガン、スリッパも提供されます。
着替えると長距離フライトでもリラックスして過ごせます。




座席周りの設備も非常に充実しています。
シート横には細かいリクライニングや照明を調整できる操作パネルがあり、自分好みの快適な姿勢で過ごせます。
サイドには小物や書類を収納できるスペースが用意され、さらに中にはUSBポートやHDMI端子も完備。
機内でもパソコン作業やスマートフォンの充電が安心して行えます。
また、SONY製のノイズキャンセリングヘッドホンも提供され、映画や音楽をクリアな音質で楽しめるのも大きな魅力です。

シートをフルフラットにすると、約198cmのベッドに変身します。
CAさんがマットレスや布団を丁寧にセットしてくれるため、まるでホテルのベッドのような快適さです。
ANAファーストクラスの機内食レビュー(洋食コース+和食朝食)

今回のフライトでは、和食と洋食から選べるメニューの中から洋食をチョイスしました。
アミューズから始まり、前菜、メイン、デザートまでコース仕立てで提供され、まるで空の上のレストランのような体験です。

まず提供されたのは、和食・洋食共通のアミューズ。
スティックパイや生ハム、いくらを使った一口サイズの前菜です。

テーブルクロスがひかれ、温かいパンとともに、バターやオリーブオイル、塩・胡椒がサーブされます。

アペタイザーには贅沢にキャビアをセレクト。
ブリニ(小さなパンケーキ)やレモンと合わせていただくと、濃厚な旨みと塩味が口いっぱいに広がり、まさにファーストクラスならではの至福の一皿でした。

彩り豊かなガーデンサラダ。
ビーツやカラフルなニンジン、フレッシュな葉野菜が盛り付けられ、見た目も華やか。

優しい甘みのコーンスープ。
クルトンの香ばしさがアクセントとなり、心がほっと和む味わいです。

メインディッシュにはUSプライムビーフフィレのステーキを選びました。やわらかなお肉に濃厚なモリーユソースが絡み、上品で奥深い味わいです。

さらに嬉しいのは、洋食を選んでもご飯・お味噌汁・お漬物を一緒にいただけること。
長い海外旅行の終わりに口にした久々の日本のご飯は、沁みるようなおいしさでした。

食後のデザートには、ナッツが香ばしいタルトにバニラアイスを添えていただきました。
甘さは控えめで上品な味わい。おやすみ前のドリンクにはカフェインレスのルイボスティーをチョイス。

到着前の朝食には和食をセレクト。
主菜は銀ひらすの幽庵焼きで、程よい塩味と香ばしさがご飯とよく合います。
鶏と茄子の揚げ煮や納豆、小鉢も添えられ、まるで旅館の朝ごはんのようにバランスの取れた一膳です。

成田到着前には、特別に用意されたフルーツプレートをいただきました。
お皿には私の名前と「THANK YOU FOR FLYING WITH ANA」のメッセージが描かれていて、フライトの締めくくりにふさわしい心温まるサプライズ!
ANAファーストクラスならではのおもてなしに、最後まで感動しました。
ANAファーストクラス「THE Suite」搭載路線一覧(2025年最新情報)

ANAの国際線ファーストクラス「THE Suite(ザ・スイート)」は、最新の個室型ファーストクラスシートですが、導入路線は限られています。
2025年9月時点で確実に「THE Suite」が搭載されている主な路線は次の通りです。
- 羽田(HND)–ロンドン(LHR)
- 羽田(HND)–ニューヨーク(JFK)
- シカゴ(ORD)–東京(成田/羽田)※一部便
- サンフランシスコ(SFO)–東京(成田/羽田)※一部便
※機材変更があるため予約時に座席マップ確認推奨
まとめ:ANAファーストクラスをお得に体験するコツ

ANAファーストクラス「THE Suite」は、まさに空の上の極上体験でした。
ドア付きの個室シート、43インチの4Kモニター、上質なアメニティ、シェフ監修の機内食。
そのすべてが一流で、長時間のフライトを忘れてしまうほど快適。
むしろ「もっと乗っていたい」と思える時間でした。
今回は40,000マイルでビジネスクラスからファーストクラスへアップグレードし、憧れの体験を叶えられました。
さらに、ANA上級会員に付与されるアップグレードポイントを使えば、マイルを消費せずに挑戦することも可能です。
「ファーストクラスは夢のまた夢」と思っている方も、マイルやポイントを賢く活用すれば、意外と現実的に手が届く選択肢です。
次の特別な旅行には、ぜひANAファーストクラス「THE Suite」を計画してみてはいかがでしょうか?
きっと一生忘れられない思い出になるはずです。

