世界中の旅人が憧れるスイスの名峰マッターホルン。
ツェルマットで過ごした2泊3日の旅は、天候に合わせて予定を柔軟に変えながら絶景を追いかけた3日間でした。
- 1日目: ゴルナーグラート鉄道で展望台へ。
氷河とアルプスの雄大な景色を堪能。 - 2日目: 曇り空の中、ツェルマットの街歩き。
アルプホルン演奏やヤギの行進、夕方には夕焼けに染まるロートホルンも。 - 3日目: 快晴の朝、逆さマッターホルンを望むテオドール湖へ。
その後グレッシャーパラダイスの展望台で旅のハイライトを迎えました。
本記事では、そんなツェルマット2泊3日の実体験をもとに、旅の費用・節約術・ベストシーズンの過ごし方を詳しく紹介します。
旅の準備と持ち物リスト

ベストシーズンと天候の特徴
7〜9月は晴天率が高く、登山やハイキングに最適の季節です。
この旅行記の旅行(7月)は、ツェルマットのベストシーズンに行きました。
村の活気も最高潮で、観光客が多く賑わっていました。
- アルプホルン演奏
- ヤギの行進
ただし、スイスの山岳地帯の気候は変わりやすく、天候の急変は日常茶飯事です。
ツェルマット村(標高 1620m)は、日中は T シャツでも過ごせる爽やかさでしたが、ゴルナーグラート展望台(標高 3089m)まで上がると、体感温度は一気に下がります。
そのため、服装は「重ね着」が鉄則です。
夏の持ち物リスト

標高差の大きいツェルマットを快適に過ごすため、以下のアイテムは必須です。物価が高いスイスなので、衣類は日本からしっかり準備していくことが節約にも繋がります。
体温調節・防寒対策
- 防水・防風性のあるアウター(マウンテンパーカーなど)
- フリースや薄手のインナーダウン
- 吸湿速乾性の高い T シャツや長袖シャツ
足元
- トレッキングシューズまたは履き慣れたスニーカー
- 厚手の靴下
紫外線対策
- サングラス
- 日焼け止め
- つばのある帽子
その他
- リュック(不要な衣類や水などを持ち運ぶため)
- モバイルバッテリー(絶景で写真を撮りすぎてバッテリー切れを防ぐ)
\ツェルマット旅に備える!/
ズバリ!ツェルマット2泊3日でかかった費用と節約術

物価が高いと言われるスイス。
やはり気になるのは「実際、いくらかかったの?」という費用面ですよね。
ここでは、ルツェルンからの移動費も含めた、私の2泊3日ツェルマット旅でかかった費用を正直に公開します。
今回の旅はハーフフェアカード(半額カード)を最大限活用した費用です。このカードがなければ、鉄道・展望台の費用は倍近くかかっていたため、スイス旅行には欠かせないと感じました!
項目 | 金額(円) | 備考 |
---|---|---|
交通費(ルツェルン→ツェルマット/ツェルマット→チューリッヒ) | 約23,982円 | ハーフフェアカード利用 |
ゴルナグラート鉄道 | 約12,284円 | ハーフフェアカード利用 |
グレッシャー・パラダイス | 約11,782円 | ハーフフェアカード利用 |
ホテル2泊 | 約57,052円 | 朝食付き(1人分) |
食事・お土産・その他 | 約6,516円 | COOP(スーパー)の購入メイン |
合計 | 約111,616円 | 日本円換算1CHF約183円 |
総額は約 11 万円という結果になりましたが、内訳を見ると宿泊費が全体の約半分を占めています。ツェルマットでの快適なホテル滞在(朝食付き)を重視したため、この金額になりました。
一方、食費が 6,500 円程度と非常に抑えられているのは、スーパーのCOOPを積極的に利用したからです。外食を控え、お惣菜やパンで済ませることで、物価の高いツェルマットでも無理なく費用をコントロールできました。
スイス旅行の必須アイテム:スイスハーフフェアカードの威力

今回の旅の費用を見て、「あれ?スイスにしては思ったより高くないかも?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。その秘密こそが、スイス旅行の必須アイテムである「スイスハーフフェアカード」です。
これは、スイス国内のほぼすべての列車、バス、船、そして登山鉄道やロープウェイの料金が半額になるという、旅行者にとって夢のようなカードです。
どのくらいお得?実際の割引例
ご存知の通り、スイスは物価が高く、特に展望台へアクセスするための登山鉄道は、片道だけで 1 万円を超えることも珍しくありません。
私の旅の例で言えば、
- ゴルナーグラート鉄道:約 24,500 円 → 約 12,284 円
- マッターホルン・グレッシャーパラダイス:約 23,500 円 → 約 11,782 円
このように、2つの主要な展望台に行っただけで、2万円以上もお得になりました。
長距離の移動も半額になるため、カードの購入費用(約120CHF 程度)は、2泊3日の旅でも簡単に元が取れてしまう計算です。
私は、イタリアのティラノからベルニナ急行に乗り、サンモリッツ、ルツェルン、そしてツェルマットとスイスを周遊しました。
このカードは、都市間の移動が多い周遊旅行こそ真価を発揮します。使えば使うほど割引額が積み重なるため、2泊3日の費用公開分だけでなく、旅全体の費用で考えると桁違いにお得になるパスなんです。
物価の高いスイスで、絶景を諦めずに心ゆくまで楽しむために、ハーフフェアカードはまさに「最強の節約術」と言えます。
ハーフフェアカードの賢い使い方:チケット購入術
ハーフフェアカードを使ってチケット購入する方法は、次の2つのパターンがあります。
① SBB(スイス国鉄)の鉄道チケットはアプリ購入が便利!
ツェルマットまでの移動や、都市間を結ぶ周遊旅行などでは、スイス国鉄(SBB)の公式アプリでチケットを購入するのが断然おすすめです。
購入画面で「Half-Fare travelcard」のオプションを選ぶだけで、自動的に半額料金が適用されます。
わざわざ窓口に並ぶ必要もなく、スマホから簡単に購入できるのでとても便利!
乗車時はアプリのチケット画面を見せます。
念のため印刷してたハーフフェアカードも携帯すると安心ですし便利です。

移動中に次の列車をサッと予約できるのが本当にラクでした!
② 登山鉄道・ロープウェイは窓口で提示が確実!
ゴルナーグラート鉄道やマッターホルン・グレッシャー・パラダイスなどの登山鉄道、ロープウェイやゴンドラは、現地の窓口で購入するケースが一般的です。
その際、ハーフフェアカードを提示するだけで割引価格がすぐに適用されます。

「ハーフフェアカード」を見せるだけでOK!
スタッフも慣れているので安心ですよ。
スイスハーフフェアカードの購入方法
ハーフフェアカードは、日本国内で事前に購入しておくと、現地でスムーズに利用できます!
\交通機関がほぼ半額で乗れる/
日本語でかんたん購入できます!
【1日目】ルツェルンからツェルマットへ&ゴルナーグラート鉄道で絶景体験

いよいよ、マッターホルンを望む夢の村、ツェルマットへの旅がスタートです。
美しいルツェルンからスイス鉄道(SBB)に揺られ、期待に胸を膨らませながら向かったこの日。お昼過ぎにツェルマットに到着すると、そこには雄大なマッターホルンの姿が・・! と言いたいところでしたが、残念ながら雲に覆われた生憎の空模様。
この日のメインイベントとして予定していた「マッターホルン・グレッシャーパラダイス」は諦めざるを得ませんでした。
現地案内所の的確なアドバイスと柔軟な予定変更が、結果として初日から感動的な絶景と予想外の出会いをもたらしてくれました。
まずは、ツェルマットまでの道のりと、初日の発見と感動の様子をレポートします!
スイス鉄道(SBB)でツェルマットへ!快適なアクセス


ルツェルンからツェルマットまでは、スイスの壮大な景色を眺めながらの快適な鉄道旅。
車窓からは、美しい湖畔の風景や、豊かな緑の中を流れる清流が次々と現れ、旅情をたっぷりと味わえます。
カーブに差し掛かる度に、自分が乗っている赤い車両が景色の中に溶け込む様子も、スイス鉄道ならではの楽しみです。
現地案内所で天候チェック:予定変更の決断
ツェルマット駅に到着し、まず向かったのが駅前の観光案内所です。

この日はマッターホルン山頂に雲がかかっていたため、予定していたマッターホルン・グレッシャーパラダイスについて尋ねると、「今日行っても山は見られない。別の日にした方が良い」と正直なアドバイスを受けました。
高額なチケット代を払う前に教えてくれた現地のプロの意見を信じ、急遽、この日はゴルナーグラート鉄道に乗ることに。
「旅の予定は柔軟に変更すべし!」
ゴルナーグラート鉄道で展望台へ

現地案内所の助言に従い、急遽向かったのがゴルナーグラート鉄道の駅です。

ハーフフェアカードで半額になったチケットを握りしめ、いざ乗車!事前に調べていた通り、迷わず進行方向右側の席を確保しました。
進行方向右側の席からマッターホルンが見えます!

終点のゴルナーグラート駅に到着!ゴルナーグラート展望台の標高は、3,089mです。

この雄大な景色に、標高 3,089m の空気の冷たさも忘れ、しばらく見入ってしまいました。

雲が多めでも、この赤い列車が動く瞬間はシャッターチャンス!
スイスらしい絵になる景色を撮影できました。

展望台の施設内には、ZOOOM The Matterhorn という無料(またはチケットに含まれる)のアトラクションがありました。
ここでは、天候に左右されないVRなどの最新技術を使ってマッターホルンを体験でき、寒さや悪天候で景色が見られなくても楽しめる工夫がされていました。
絶景を楽しむなら、ローテンボーデン駅で下車 → リッフェル湖散策 → 一駅下のリッフェルベルク駅までハイキング が初心者向け定番ルート

ローテンボーデン駅周辺には、「Alpine Garden(アルパイン・ガーデン)」と呼ばれる高山植物園があります。

小さくても力強く咲くその姿は、まさにアルプスの妖精。
エーデルワイスを見られただけでも、このハイキングに来た甲斐がありました!

エーデルワイスの感動を胸に、いよいよリッフェル湖(Riffelsee)へ向かいます。
ローテンボーデン駅からリッフェル湖までは歩いてすぐ。

残念ながら、この日は午前中に引き続きマッターホルンの頂上に雲がかかっていたため、「逆さマッターホルン」は完璧な形では見られずお預けに。

湖の静かな美しさと、雄大なマッターホルンを間近に感じるハイキングは、曇り空でも十分に絶景でした。
私たちはこの後、リッフェル湖周辺からさらに一駅下にあるリッフェルベルク駅までハイキングを続け、そこから鉄道でツェルマットへ戻りました。

初心者でも歩きやすい道で、高山ハイキングを堪能できる最高のルートでした!
夕食は賢く節約!スーパーCOOPを活用

スイスは物価が高めなので、地元スーパー「COOP」の利用もおすすめ。

サンドイッチやサラダはもちろん、手巻き寿司やおにぎり、餃子まで並んでおり、日本のコンビニに近い感覚で食料を調達できました。
私たちはここでパンや惣菜を買い込み、ホテルでゆっくりいただきました。
ホテル:駅近で快適!「ホテルアンバサダーツェルマット」に宿泊

ツェルマットでの滞在は、駅から徒歩2〜3分の場所にある「ホテルアンバサダーツェルマット(Hotel Ambassador Zermatt)」に2泊しました。

大きな荷物を持っていてもすぐに到着できます!




ホテル内では多くの日本人ツアー客の方々を見かけました。
これは、日本人にとって安心感があり、サービスや清潔感が信頼できるホテルであることの証だと感じました。

私たちは、4人部屋で一人当たりの宿泊費を節約しました!
\料金・空室をエクスペディアで確認する/
【2日目】曇り空のツェルマット街歩きと夕方の奇跡

旅の2日目は、あいにくの曇り空でスタート。
予報通り、朝からマッターホルンは厚い雲にすっぽりと覆われてしまい、頂上はほとんど見えません。
こんな日は無理に山へ登らず、気持ちを切り替えてツェルマット村の魅力を満喫することにしました。
マッターホルンが見えず、のんびりお土産散策

まずはツェルマットのメインストリートをのんびり散策。
ツェルマットはガソリン車が入れないため、村全体が静かで空気が澄んでいます。
趣のある木造のシャレー建築は、窓辺に飾られた色とりどりの花々(ゼラニウムなど)が美しく、歩いているだけで心が和みます。

村の中には、スイスが誇るチョコレートブランドリンツ(Lindt)の専門店があります。もちろん立ち寄って、定番のお土産をゲット!

また、街のパン屋さん(ベーカリー)も魅力的です。
スイス名物のフルーツブレッド「Birnenbrot(ビルネンブロート)」と「Bergführerbrot(ベルクフューラーブロート)」などのスイスの伝統的なパンが並べられています。
アルプホルン演奏とヤギの行進に遭遇

偶然出会ったアルプホルンの演奏会。

スイスの象徴的な音色を街中で聞けるなんて、最高のサプライズです!

お土産屋さんでフサフサの毛を持つヤギのぬいぐるみを見て、「この子に会いたいね」と話していました。店を出てすぐ、カウベルの音が近づいてきて、ヤギの群れが山から村へ戻ってきたのです!
スイス・ツェルマット名物の「ヴァリス・ブラックネックヤギ(Valais Blackneck Goat)」は、体の前半分が黒、後半分が白という珍しい毛色の山岳ヤギです。


ふわふわの毛と、長い角を持つ可愛らしいヤギたちが隊列を組んで歩く姿は、本当に愛らしく、偶然の出会いに感謝でした!
夕日に染まるロートホルン・マッターホルン

雲で諦めかけていた2日目ですが、7月のツェルマットは日が沈むのが遅いのが幸いでした。
ホテルでゆっくりと夕食と入浴を済ませ、テラスに出てみると、なんと!マッターホルンの山頂を覆っていた雲がわずかに晴れ、その姿を覗かせているではありませんか!
慌ててカメラを手に、マッターホルンが美しく見えることで有名な日本人橋(キルヒ橋)へと向かいました。

雲が完全に晴れることはありませんでしたが、夕日に照らされた山頂がオレンジ色に輝く、息をのむような絶景が現れました!

夕方のロートホルンは、まるで絵画のような美しさ。
諦めずに待っていてよかったです!
【3日目】感動の連続!朝焼けマッターホルンとマッターホルン・グレッシャーパラダイス

ツェルマット滞在最終日は、まさに「奇跡」のような最高の天候に恵まれました。
朝から空には一点の雲もなく、前日の曇り空が嘘のようです!
早朝の日本人橋でロートホルン再び

早起きして向かったのは、再び日本人橋(キルヒ橋)近く。
朝日に照らされて赤く染まる「朝焼けマッターホルン」を見るためです。

静寂の中、ゆっくりと姿を現す「モルゲンロート(朝焼け)」のマッターホルンは、昨日見た夕焼けとはまた違う、神々しいほどの美しさでした!
念願の「マッターホルン・グレッシャーパラダイス」へ!
朝焼けの感動を胸に、いよいよ1日目に断念したマッターホルン・グレッシャーパラダイスへ向かいます。
ロープウェイを2本乗り継いで、ヨーロッパ最高地点の展望台を目指します。
もちろん、ここでもハーフフェアカードが大活躍しました。
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テオドール湖の逆さマッターホルン

ロープウェイの乗り継ぎ地点で、氷河に囲まれた美しい小さな湖を発見!
ここはガイドブックにはあまり載っていない穴場だったのかもしれません。
風がなく穏やかな湖面には、念願の「逆さマッターホルン」が!

ロープウェイを乗り継ぐ途中で見えたテオドール湖。
静かな水面にマッターホルンが完璧に映っていて、まさに「奇跡の一枚」でした!
マッターホルン・グレッシャーパラダイスの展望台

さらにロープウェイを乗り継ぎ、ついにマッターホルン・グレッシャーパラダイスの展望台へ到着!

雲一つない青空の下、目の前に広がるのは4,000級の山々が連なる大パノラマと、どこまでも続く真っ白な氷河!
マッターホルンも、その堂々たる姿を余すことなく見せてくれました。


まるで空の上に立っているような感覚でした。
360度すべてが雪と氷の世界で、時間を忘れて見入ってしまうほどの絶景!

青白く光る氷の世界は幻想的で、氷河の奥深さを体感できる貴重な経験でした。

滑り台などのアトラクションもあり、大人も子供も楽しめる工夫がされていました。

上空から見るマッターホルンや氷河は、行きとはまた違う感動があります。
最高の景色を最後まで目に焼き付けながら、ツェルマットの村へと戻りました。
感動の余韻を胸にチューリッヒへ移動

3日間のツェルマット滞在は、感動的な朝焼け、念願のマッターホルン・グレッシャーパラダイス、そして美しい氷河湖での逆さマッターホルン。
どれも忘れられない思い出です。
ツェルマットでの最高の思い出を胸に、私たちはSBB鉄道でチューリッヒへと戻りました。
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まとめ:天候を見極めて最高のマッターホルン旅を!
3日間にわたるツェルマットの旅は、天候に振り回されながらも、結果として忘れられない思い出で締めくくられました。
曇り空に包まれた1日目と2日目があったからこそ、私たちは「高額なチケットを無駄にしない判断力」や、「COOP(コープ)での節約術」「村の小さな魅力」を見つけました。
そして迎えた3日目。
雲ひとつない快晴の空は、それまでの忍耐が報われたご褒美のようでした。
朝焼けに染まるマッターホルン、湖面に映る逆さマッターホルン、そしてヨーロッパ最高地点から見た果てしない氷河のパノラマ。
そのすべてが、心に深く刻まれる瞬間でした。
ツェルマットは天候に大きく左右される場所ですが、
「諦めずに待つこと」
「現地の情報と直感を信じて柔軟に行動すること」
この2つこそが、最高の景色と出会うための鍵だと感じました。
この旅行記が、これからツェルマットを訪れる皆さんの旅の計画や、マッターホルンの雄姿に出会うきっかけになれば嬉しく思います。

